前回のコラムでは、どのくらいのCO2濃度に保てばよいのか、どの程度のCO2濃度なら安全なのかをテーマに話をしました。
今回はCO2センサーで測定したCO2濃度をどのように確認すればよいのか?について話していきたいと思います。
※一部、第1回コラムどのようなCO2センサーを選べばいいの?~教育機関編①~と内容が重複しておりますが、ご了承ください。
日常よく目にするCO2センサーは目視での確認が必要
皆さんが日常生活でよく目にするCO2センサーと言えば、飲食店などの人の出入りの多い店舗を中心に設置されているCO2センサーだと思います。
このようなCO2センサーはレジなどに置かれていて、液晶画面に現在のCO2濃度、温度、湿度が表示されており、店舗のスタッフや利用客等の誰もが確認することができるものです。
また、アラート機能が搭載されているCO2センサーもあり、1,000ppmや1,500ppmを超えるとアラートで知らせてくれるものもあります。
大規模施設には店舗で目にするCO2センサーは不向き?
しかしながら、大きな施設ではこのようなCO2センサーはあまり向いていません。
飲食店などの比較的小規模な店舗であれば、人がこまめにCO2濃度を確認することができますが、大きな施設ではCO2センサーをこまめに見回ることも、付近に従業員を配置することも難しくなり、頻繁にCO2濃度をチェックすることが難しくなります。
特に大学などの教育機関の場合、例えば、講義室にCO2センサーを設置したとしても、教員や学生に随時CO2センサーを確認してもらうわけにはいかず、また自習室にCO2センサーを置いた場合でも、自習中の学生に任意でCO2濃度を見てもらうことも難しくなります。
インターネットを通じてCO2濃度の確認ができる?
そこで、大学などの大規模施設の場合に、どのようにCO2濃度を確認すればよいかというと、一つの方法として‟ネットワークに接続できるCO2センサーを使用する”方法があります。
この‟ネットワークに接続できるCO2センサー”というのは、第2回コラム「CO2センサーの通信はどのように行うの?~教育機関編②~」で話題に上げました、BLE、Wi-Fi、LTE-M、LoRaWAN等に対応したCO2センサーということです。
上記に挙げた通信方式であれば、BLE、Wi-Fi、LoRaWANであればゲートウェイ(※1)まで、LTE-Mであれば近くの基地局までそれぞれの通信方式を使用してデータのやり取りが行われます。
その後、ゲートウェイや基地局からは、インターネットを通じてクラウドサーバ上のIoTサービスにCO2センサーからの測定データが渡されます。
CO2濃度のモニタリングサービスで見える化を実現!
このIoTサービスというのが、CO2濃度を始め、温度や湿度をモニタリングする為のサービスとなり、各社からそれぞれ特徴を持つものが提供されています。
これらのモニタリングサービスを使用すると、PCやタブレット端末などから、リアルタイムでCO2濃度の確認ができ、測定結果の履歴を追うことなどができます。
PCやタブレット端末上の見え方としても、単に数値の羅列ではなく、色々な形のグラフやデータテーブルでの表示ができ、状態をわかり易く確認することができます。
さらに、各校舎、各フロア、各教室の状態を一つのモニタリングサービスから確認できる為、大規模な施設にとっては、そのような一元管理ができるサービスが適していると言えます。
アラート通知を設定することも可能!
各モニタリングサービスによって搭載されている機能も様々ではありますが、アラート通知の設定ができるサービスもあります。
例えば、CO2濃度において、1,000ppm以上が1時間以上継続した場合、または1,500ppm以上を1回でも計測した場合に、登録しているメールアドレスにアラート通知を送ることができます。
また、設定によっては、Slackなどのコミュニケーションツールにアラート通知を転送することも可能です。
このように、CO2濃度はCO2センサーの液晶画面を直接確認する方法もありますが、大学などの大規模施設の場合には、モニタリングサービス上でリアルタイムに各教室の状態がわかり、またCO2濃度などの状態によっては通知もしてくれる、そのような一元管理ができる仕組みを導入するのが効果的です。